<女子アナウンサーに関する週刊誌等の記事に関する
平成13年9月5日、東京地方裁判所判決内容抜粋> |
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| [原告側(X)の主張] |
| 本件記事は、Xがランジェリーパブで働き、破廉恥なサービスをしていたとの事実を伝達するものであるから、Xの名誉を著しく毀損する。 |
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| [被告側(出版社:Y)の主張] |
| 本件記事は、Xが客に対し積極的な接客をしていた事実を伝達するにすぎず、何ら破廉恥なサービスをしていた事実を伝達するものではない。 |
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| [裁判所の判断] |
| 本件記事は、X自身も積極的に客が望む性的なサービスを提供していた事実を伝達するものであり、通常の一般人であれば羞恥心を害される破廉恥な行為をしていたことを伝達するものであるから、社会的評価が低下することは明らかである。したがって、本件記事の掲載は、Xの名誉を毀損する。 |
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| [原告側(X)の主張] |
| Xがランジェリーパブにおいて働いた経験があり、かつ、その接客の様子を赤裸々に書き立てることが、公共の利害に関する事実であるとは到底いえず、本件記事等の掲載は専ら本件雑誌の販売数をあげるためになされたものであるから、その目的も公益を図るものとはいえない。 |
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| [被告側(出版社:Y)] |
| テレビ局各社がどのような職歴、個性を持つ女性を「女性アナウンサー」として採用したのか、ということは、公共の利害に関する事実である。「Xの過去の職歴は、一般の女子学生とは隔絶したものであり、そのような女性であるXを採用した会社の営業の実情を知る上で重要な情報なのだから、本件記事の内容は公共の利害に関する事実である。」 |
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| [裁判所の判断] |
| テレビ局のいわゆる「女子アナウンサー」が、アナウンサーになる以前の学生時代にどのようなアルバイトをしていたかという事柄は、読者の単なる興味あるいは好奇心の対象となる事柄ではあっても、不特定多数人が関心を寄せてしかるべき公共の利害に関する事実とはおよそかけ離れたものであることは明らかであり、Xの学生時代のアルバイト内容を知ることが、テレビ局の営業の実情や営業戦略等を知る上で、重要な事項であるとは到底認め難く、被告の主張は理由がない。 |
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| [原告側(X)の主張] |
| 人はだれでも、みだりに自己の容姿を撮影した写真を公表されない肖像権を有する。本件写真は、いずれも特定の雑誌の特定の企画への掲載を目的として撮影されたものであって、Xは本来の目的に使用する限りにおいて、承諾を与えていたに過ぎない。本件での使用は、承諾外の使用であるから肖像権の侵害として不法行為を構成する。Xが広く社会に対しその容姿を露出する者であったとしても、そのことから直ちに肖像権の侵害を主張することができなくなるものではない。本件写真の掲載又は再掲載と本件記事等に関する争点とは、直接関係するものではないから、本件写真が社会の公共関心事とは到底いうことができず、また、その掲載又は再掲載が公共の利益を図るためになされたとも言えない。 |
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| [被告側(出版社:Y)] |
| 本件写真は公表されることを前提としてその撮影に応じているのであるから、Xはそもそも本件写真に関し、公表されないという利益を有しているものではないし、公表の態様に関する目論見の違いや、掲載媒体に関する期待の阻害などは、独立の不法行為の対象と成るものではない。仮に、Xの肖像権に対する侵害があったとしても、Xのようにテレビを通じてその肖像を社会に広く提供している者については、容姿の公表に関する利益の侵害に対しても、一般人に比し、その違法性の有無の基準と成るべき受忍限度の範囲内であるから、その撮影方法に違法性が認められない限りは、不法行為を構成するとはいえない。 |
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| [裁判所の判断] |
| 自らの写真を雑誌等に公表することを承諾するか否かを判断する上で当該写真の公表の目的、態様、時期等の当該企画内容は極めて重要な要素であり、人が自らの写真を公表することにつき承諾を与えるとしても、それは、その前提となった条件の下での公表を承諾したにすぎないというべきである。したがって、公表者において、承諾者が承諾を与えた諸条件と異なる目的、態様、時期による公表をするには、改めて承諾者の承諾を得ることを要するというべきであり、公表自体についての承諾であれば、その公表の態様等に違いがあっても、肖像権の侵害にならないとする被告の主張は失当である。このことは、当初の企画通りの掲載がなされた写真を再度掲載する場合も同様に当てはまり、当該再掲載については、改めて肖像権を有する者の承諾を必要とすると解するのが相当である。仮に、その容姿を広く社会に露出している者の肖像権の公表に関する利益の侵害については、そうでない者に比べて受忍すべき限度が高いと評価されることが有り得るとしても、それには限度があるのであって、いかに日常その容姿を社会に露出しているアナウンサーであるからといって、アナウンサーとしての生活とは関係のない学生時代の水着姿を撮影した写真についてまで、肖像権を放棄しているものとは到底解しがたく、被告の主張は、採用することができない。 |
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